唐招提寺北川智海長老像
唐招提寺北川智海長老像
2021年
- 名 称
- 北川智海長老像
- 制作年
- 2021年
- 所蔵先
- 唐招提寺
- 材 質
- ヒノキ、漆、金箔、天然顔料、染料
- 技 法
- 寄木造、彩色
- 寸 法
- 像高90cm
唐招提寺第80世長老 北川智海長老(1864〜1946)の法要に合わせ、制作依頼をお受けしました。北川長老の容貌を今に伝える資料は少なく、一枚の白黒写真と、一幅の掛け軸を元に、立体におこす作業となりました。
限られた資料と、唐招提寺様にお話いただいた北川長老の人生やお人柄、その功績といった情報をもとに、イメージを膨らませながら原型制作を行い、唐招提寺さまのご意見をうかがいながら、作業を進めました。
本像の姿勢は、香炉を正面に持ち、戒壇において戒を授ける様子を表しています。
また、律宗の総本山である唐招提寺には、同寺特有の法衣の形式があります。
それらを彫刻において忠実に再現するため、袈裟の形状や着脱の仕方、香炉の取り方に到るまで、唐招提寺様に取材をさせていただき、細部に至るまでご教示いただきました。
また、実際に法衣をお借りし、作業場において手元に置き、律宗特有の袈裟のディティールを確認しながら制作を進めました。
目指したのは、廃仏毀釈が跋扈する激動の時代に、私財を投げ打って寺宝と教えを守り抜いた、北川智海長老の人生そのものが表れ出るような御像です。