ついて 制作に 仏像の

肖像彫刻について

没後〇年を目安に、先人の御像を新たに制作したい

写真を元に、故人の御像を制作することも可能です。
その場合には、資料を元に粘土等で原型を制作し、イメージに相違がないか確認していただきます。また、姿勢や着衣の形状なども細かくご希望をうかがい、形にいたします。

宗派の開祖の御像を制作したい

その宗派には、受け継がれる開祖の形式や、宗派ごとの決まり事も多くみられます。それら一つ一つ、綿密な打ち合わせのもとで、形にいたします。
また、掛け軸などの絵画を元にした、立体制作も承ります。

ご自身の姿を彫刻にしたい

表情や姿勢、服装など、ご要望に沿って彫刻にいたします。特に重要となる頭部は、粘土において試作を施し、入念に形にします。必要であれば実際にモデルをしていただく場合もあります。

肖像彫刻を制作した際、モデルである人物に由来する物を像内に納入することは可能でしょうか?

納入品のご要望も承ります。実際に、仏像や頂相(ちんそう)彫刻(※)の像内に、発願者や関与した人々に由来した物が納められている作例は多くあります。
納められる物は、経典や巻物、小さな五輪塔や銘札など、様々です。
また、木彫像の内刳り面に、制作の経緯や、関与した方々の名前などを墨書で書き入れる例もあります。
実際の手順としては、造形を概ね完成させたのち、像を完全に組み上げる前に、納入品の納入や、像内墨書の書き入れ等を行います。
納入できる物は、像の内刳りの大きさによって変わりますので、制作にあたって、あらかじめ大きさや数量などを決めておく必要があります。

※頂相(ちんそう)彫刻とは……
高僧の肖像彫刻を指します。

既にある肖像彫刻の、模造は制作できるでしょうか?

肖像彫刻の模刻も可能です。
古くより、特に高僧をモデルとした肖像彫刻は、繰り返し模刻が制作され、その教えや功績を後世に伝える大切な御像として、お寺に祀られてきました。

新たに制作される場合は、既にある肖像彫刻の模刻という形になります。
そのため、まずは原本となる御像の調査を行います。
調査においては、像の構造の確認や、可能であれば写真撮影を行わせていただきます。
その資料をもとに、まずは原型を制作し、原本像と入念な比較を行ったのち、彫刻作業に移ります。
仕上がりは、原本像の制作当初の状態に復元する場合、現状の原本像に近い状態まで古色行う場合、どちらにも対応可能です。
いずれの場合でも、基本的には原本像の構造や材料、技法に倣い、制作いたします。

実際のモデルから彫刻にする場合には、どのような手順となるのでしょうか?

まず、モデルとなる方の写真撮影やスケッチをさせていただき、それらを元に立体に起こすという制作手順となります。
立体に起こす際は、まずは融通が効く粘土などで制作し、造形を探ります。
この時点で、モデルとなる方と原型の間にイメージの相違がないか、ご確認いただくことが可能です。
その後に、実際の材料を用いた彫刻作業に取り掛かります。
実物大での制作だけでなく、縮尺を変えた制作なども可能です。

また、どのような場と用途でお祀りを検討されているのかによって、台座や姿勢、表情など、細かな仕様も変わってくるかと思います。
施主様のご意見やご要望をうかがい、どのような御像の制作を目指すのか、共にイメージを作り上げられたらと思っております。
いずれの場合でも、基本的には原本像の構造や材料、技法に倣い、制作いたします。