金剛心院如来立像模刻
金剛心院金剛心院如来立像復元模刻
2015年
- 名 称
- 金剛心院如来立像復元模刻
- 制作年
- 2015年
- 所蔵先
- 東京藝術大学美術館
- 材 質
- カヤ、漆、顔料、染料
- 技 法
- 一木造、古色
- 寸 法
- 像高95.6cm
金剛心院は、天橋立で有名な宮津市の、海岸近くの高台に位置する名刹です。
当寺には、平安時代前期に制作されたとされる、一木彫の如来立像が伝わっています。豊かな体躯に、平安前期の特徴とされる翻波式衣文、渦文などを余すところなく配した衣をまとう姿は、三尺像とは思えない堂々たる風格を表しています。また、衣が後ろにたなびく表現は、如来像が前方からの風を受けているかのような写実性で、作者の高い技量がうかがえます。
そうした平安時代前期の高い技術を学ぼうと、修士課程において模刻研究を行いました。
カヤの原木を調達し、金剛心院さまの許可をいただき実施した3D計測のデータを参考にしながら、彫り進めました。
また、夏には1ヶ月半、宮津市にて滞在制作を行いました。檀家様にお借りした住宅を作業場とし、毎日拝観に通いながら、如来立像の造形に迫ることができるよう、制作に励みました。
金剛心院如来立像模刻を通して学んだ表現は、現在の制作においても多分に影響を受けていると感じています。
本模刻では、両手先、螺髪の復元を行いました。
修士論文「金剛心院如来立像模刻制作」