念佛寺如来坐像
念佛寺木造薬師如来坐像
2021年
- 名 称
- 木造薬師如来坐像
- 修復年度
- 2021年
- 所蔵先
- 念佛寺
- 材 質
- ヒノキ、膠、漆、金箔、天然顔料
- 技 法
- 寄木造、漆箔
- 寸 法
- 像高90.0cm
修復のお話をいただいた際、如来座坐像は積年のほこりと共に、ところどころに欠けた部分や、剥落が進行している部分が見受けられました。また、後頭部材や両手先は脱落している状態でした。
実際に修復を行うと、薬師像には様々な修理跡が遺されていることが分かりました。それは、様々な時代に、様々な人の手によって薬師像が修復されてきた記録です。
本修復においては、クリーニングと構造強化を中心に行いながらも、新たに金箔を貼り直すことなどはせず、今の如来像のお姿を尊重する方針としました。
後世に補われたと考えられる後頭部材や両手先などは、より本来の如来像に合う造形を目指し新たに制作したのち、本体に馴染むよう古色仕上げを施しました。
ご住職はお寺の由縁などから、薬師如来像として造立されたのではないかと推察され、本修復では薬師像として復興することになりました。
時代を超え、たくさんの手によって守り伝えられてきた薬師如来像が、また数百年後に誰かの手によって修復される時まで、立派なお姿で参拝の方々をお迎えできるよう、修復を行いました。