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仏像・肖像彫刻の制作・修復や、日々の活動について最新のお知らせを掲載しております。

学生時代よりお世話になっている材木屋さんにお声がけいただき、このたび素晴らしいカヤの木を入手することができました!
カヤは、黄色味が強く、木目も美しく、とても堅牢な木です。
碁盤に用いられることでも知られています。
また、シナモンのような芳醇な香りも特徴的です。

歴史的にはカヤは、奈良時代〜平安時代前期にかけて、仏像の造像に多く用いられました。
学生時代に当該期の仏像の造像技法を研究していたこともあり、現在も私はカヤの木を好んで仏像制作に用いております。

カヤは材木市場においても多く流通するものではないので、必要になった時に理想的なカヤの木を探しても、なかなか見つからないということがあります。
しみじみ、木というものは、ご縁だなあと感じるところがあります。
私の手元に来てくれたことに感謝して、これからこのカヤの木たちで、たくさんの仏さまを彫ることができたらいいなと思います。

令和6年7月3日

令和6年6月6日に開催されました唐招提寺開山忌舎利会記念講演会の様子が、律宗総本山唐招提寺さま公式YouTubeチャンネルにて公開されました。
私が制作や模造を行い、唐招提寺さまに奉納させていただきました下記3つのものを中心に、制作の経緯や裏話をお話ししております。

演題:『唐招提寺における仏像の制作と模造について』
内容:1, 唐招提寺薬師如来立像の模造制作について
2, 北川智海長老像の制作について
3, 麈尾について

【律宗総本山 唐招提寺 公式YouTubeチャンネル】
令和6年度 唐招提寺開山忌舎利会記念講演会(共催:一般財団法人律宗戒学院)

不慣れなため、お聞き苦しいところもあるかと存じます。
ですが、少しでも多くの皆様に、唐招提寺さまの「仏」あるいは「仏具」をかたちづくることへのこだわりやその背景をお伝えできたら嬉しく思います。
どうぞご高覧いただきますよう、お願い申し上げます。

令和6年6月28日 宮木菜月

毎年6月6日、律宗総本山唐招提寺さまにおいて、開祖である鑑真大和上の御命日を悼み、開山忌舎利会が執り行われております。
この度、その開山忌舎利会に伴う記念講演会に登壇させていただくはこびとなりましたので、おしらせさせていただきます。

【唐招提寺開山忌舎利会記念講演会】(共催:一般財団法人律宗戒学院)
日時:令和6年6月6日(木)15時~
場所:唐招提寺 僧坊
講師:仏教彫刻・修復家 宮木菜月
演題:唐招提寺における仏像の制作と模造について
※ 先着80名程度
※ 後日、Youtubeにて動画が配信される予定です。
唐招提寺公式ウェブサイトはこちら

唐招提寺さまには、学生時代より今日に至るまで、仏像の制作と修復を通し、大変お世話になってまいりました。
この度は「唐招提寺における仏像の制作と模造について」と題しまして、唐招提寺さまの仏像や仏具の制作を通して垣間見た、唐招提寺さまのある一面をご紹介できればと思っております。
私がお話しできるのは、長い歴史を持つ唐招提寺さまの限られた一面に過ぎませんが、一人でも多くの皆さまにお届けできたら大変嬉しく存じます。

また、御影堂の特別公開もされるそうです。
※ 入場制限があるとのことですので、前述公式ホームページより詳細をご確認ください。

お近くにお住まいの方は、ぜひお参りいただければと存じます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

令和6年5月31日 宮木菜月

現在、半蔵門ミュージアムにおいて、特別展「音を観る」が開催されています。
その中で、私が修復を担当いたしました十一面観音菩薩立像が展示されております。
本展が初出展となる御像です。
およそ800年の時を経て十一面観音菩薩立像が今に伝わった軌跡を、その造形から感じ取っていただけるかと思います。

【宮木HP 半蔵門ミュージアム十一面観音菩薩立像 修復事例はこちら】

また本展には、絵画・彫刻にあらわされた、たくさんの流麗な観音菩薩像がお目見えしております。
すがたかたち様々な観音菩薩の、多様な性格を感じ取っていただける、またとない機会となっております。
是非、多くの皆様に足をお運びいただけましたら幸いです。
【半蔵門ミュージアムHPはこちら】


【「音を観る」フライヤーPDFはこちら】

昨年10月から隔月で開講されました、NHK文化センター柏教室「仏像拝観入門」は、先週無事に全3回を終了いたしました。平日の日中の時間帯にもかかわらず、足をお運びいただいた受講者の皆様に、この場を借りて心より感謝申し上げます。
日頃仏像の制作や修復を行っている私にとって、沢山の方の前でお話しすることに当初は不安もありましたが、温かく熱心な教室の雰囲気に、いつしか自分自身も楽しみながら、皆様と仏像のさまざまな側面を発見していくような気持ちで講座を進めることができました。また、思いもよらない方向からご質問やご要望をいただき、私自身改めて学び直すことが多々あり、大変刺激をいただきました。試行錯誤を重ねながらの3回講座となりましたが、皆様の中に、印象に残る仏の姿が一つでものこっていると嬉しく思います。
この経験に感謝し、私もまた仏像に向き合って参りたいと思います。
まことにありがとうございました。

令和6年3月5日 宮木菜月

先日7月16日(日)に、名古屋・古川美術館において開催された講座「仏像鑑賞入門〜その歴史とヒミツ〜」にご参加いただいた皆さま、まことにありがとうございました!
当日は、厳しい日差し降り注ぐ中、多くの方に足をお運びいただきまして、大変嬉しく、ありがたく思いました。
90分という限られた時間ではありましたが、少しでも、仏像の歴史や面白さをお伝えできていたら嬉しいです。
この講座をきっかけに、「ご自身にとっての仏像の旅」に出かけていただけると、担当者冥利につきます。
私も、仏像について勉強を重ね、もっと皆さまに仏像の魅力をお伝えできるよう、精進してまいります。
またこのような機会をいただけた折には、どうぞよろしくお願い申し上げます。

古川美術館の展示『翼果の帰郷展』は、今月7月31日まで開催しております!
私も、恩師の作品に並ぶ形で、小さな念持仏を出展しております。
どうぞ引き続き足をお運びいただきますよう、お願い申し上げます。

古川美術館HPはこちら

2023年7月20日 宮木菜月

この度、NHK文化センター柏教室にて、講演をさせていただくことになりました。

『仏像との出会い〜仏像鑑賞のための豆知識〜』
講師:宮木菜月
日時:4月27日(木)13:00〜14:30
場所:NHK文化センター柏
   千葉県柏市末広町4-16小田山ビル4階
   JR柏駅西口より徒歩1分
参加費:一般3.800円 会員3.350円

仏像の基礎知識から制作の舞台裏まで、自ら修復と制作を行う立場から、楽しく奥深い仏像の世界をご紹介したいと思います。
お寺や仏像が好きな方、これから勉強したい方、お気に入りの仏像を見つけたい方など、どのような方でも大歓迎です。
たくさんの方に仏像の魅力をお伝えできればと思います。
どのような方々にお会いし、お話しできるのか、今から楽しみです!
どうぞよろしくお願い申し上げます。

お申し込み・詳細はこちら

この度、大学在学時、博士後期課程において模刻研究を致しました唐招提寺薬師如来立像模刻像が、唐招提寺より下野薬師寺に遷座されましたことを、ご報告させていただきます。

日本三大戒壇の一ヶ寺として知られる下野薬師寺ですが、現在その戒壇は、姿を留めておりません。
しかしながら、戒壇を伝えた鑑真和上の御寺である唐招提寺とのつながり深く、下野薬師寺復興の支援として、近年様々なものが唐招提寺より贈られており、鑑真和上の教えの息吹を感じることができます。
その一環として、この度、唐招提寺さまより、模刻像が下野薬師寺さまに遷座されるはこびとなりました。
模刻像がこうした歴史の流れの中に位置付けられることは、身に余る光栄に感じております。

そして、さる11月20日に、下野薬師寺さまにおいて、唐招提寺さま立ち会いのもと、開眼供養が行われました。
規模を縮小して行われた開眼法要でしたが、「模刻仏制作の裏ばなし」と題してお話しさせていただいた特別講演では、たくさんの質問をいただき、大変にぎやかで楽しい時間となりました。
法要を通し、下野薬師寺さま、檀家の皆さまの温かなお心を感じました。
翌日より行われた特別拝見には、200名を超える方々に参拝いただいたそうです。
この先長く、下野の地にて、地域の方々に愛される仏像になるよう、願ってやみません。
制作者として、そして参拝者の一人として、心よりお祝い申し上げます。

下野薬師寺を訪れると、鑑真和上の教えの広がりを随所に発見するとともに、広大で圧倒的な下野薬師寺の伽藍遺構を肌身に感じることができます。
お近くにお立ち寄りの際は、どうぞお立ち寄りくださいませ。

 

唐招提寺薬師如来立像 遷座のおしらせ

大変御礼が遅くなってしまいましたが、11月8日に名古屋 栄中日文化センターにおいて開催されました、西山厚先生のご講座にお越しくださった皆さま、まことにありがとうございました。

「仏像をつくる、仏像を直す、仏像に会う」と題し、西山厚先生が長年務めていらっしゃるご講座にて、ゲストスピーカーとしてお話しさせていただきました。
このように多くの方々の前でお話しする機会はなかなかございませんので、緊張していたのですが、会場の皆さま、そして西山先生に温かく迎えていただき、本当に楽しく、心に残る講演会となりました。
お聞き苦しいところもあったかと思いますが、ご寛恕いただけましたら幸いです。

お一人お一人にご挨拶させていただくことは叶いませんでしたので、僭越ながらこの場を持ちまして、深く御礼を申し上げます。
この経験を大切に、より経験を積み、仏像に関わる様々な事柄をご紹介していけるよう、邁進してまいります。

一段と寒くなってまいりましたので、皆様におかれましては、どうぞご自愛専一くださいませ。
またご縁がございましたら、どうぞよろしくお願い申し上げます。

11月26日 宮木菜月

9月17日より開催されます、栃木県立博物館における特別展『鑑真和上と下野薬師寺〜天下三戒壇でつながる信仰の場〜』にて、東京芸術大学大学院博士後期課程において模刻いたしました「唐招提寺薬師如来立像復元像」を展示させていただきます。

本企画展示は、東大寺(奈良県)、観世音寺(福岡県)と並び、日本三大戒壇である下野薬師寺(栃木県)に焦点をあて、三大戒壇の歴史と繋がりを、数々の寺宝と共に紹介しております。
唐招提寺薬師如来立像復元像の原本である、唐招提寺国宝薬師如来立像のほか、国宝伝獅子吼菩薩立像、ほか多くの国宝・重要文化財が、唐招提寺をはじめ、各地から出展されます。
また、著名な先生方による様々な講演会も企画されているそうです。(いくつかの講演会は既に満員御礼とのことです。)

三大戒壇の歴史の中で、こうして模刻像をご紹介いただけるとは、制作当初は想像もできませんでした。
先人たちが制作してきた数多くの仏像も、制作者の手を離れたあと、歴史の中で様々な運命を辿っていったのだなあ、と感じます。
沢山の方々のご尽力により、自身が制作した模刻像が仏像として受け継がれていく様子を、こうして間近に拝見し、体感できることは、制作者にとってこの上ない喜びです。
多くの方々にご覧いただけたら嬉しいです。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

【展示名】鑑真和上と下野薬師寺〜天下三戒壇でつながる信仰の場〜
【期 間】2022年9月17日(土)〜10月30日(日)
【場 所】栃木県立博物館
〒320-0865  栃木県宇都宮市睦町2−2

企画展HPは こちら
チラシPDFは こちら


 

栃木県立博物館 展示のおしらせ
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